不妊の主な原因

不妊症の原因が女性にあるのか、男性にあるのかは半々といわれています。不妊治療というと女性が受けるイメージがあるかもしれませんが、女性だけの検査で不妊治療をすすめても、男性に異常がある場合は成果がでません。男女とも検査を受けることをおすすめします。

妊娠は、下記のプロセスがすべてうまくいって初めて成立します。このうちひとつでもうまくいかないと、正常な妊娠には至りません。

@卵巣で卵子が成熟する
A卵巣から排出された卵子が卵管采に移動する(排卵)
B精子が膣から卵管まで移動する
C精子と卵子が受精する
D受精卵が卵管采から子宮まで運ばれる
E受精卵が子宮に着床する

女性側に不妊の原因がある場合

卵子の成熟と排卵の異常は、基礎体温、ホルモン検査、超音波検査で調べます。

基礎体温で排卵日を正確に知ることは難しいですが、排卵があるかの参考にはなります。体温計があれば病院に行かなくてもできますので、不妊で悩む人は基礎体温をつけておいて持参すると不妊の原因検査がスムーズにすすむでしょう。

ホルモン検査は、いわゆる女性ホルモン(黄体ホルモンLH、卵胞刺激ホルモンFSH、エストロゲン、プロゲステロンなど)の値を血液検査で調べるものです。これにより月経・排卵の異常が、どのホルモンが原因で起こっているのかがわかります。

卵巣の病気、卵管の癒着、子宮の病気や形態異常で妊娠できないことがあります。

卵巣の異常で多いのは卵巣嚢腫やチョコレートのう胞(子宮内膜症のひとつ)です。黄体化未破裂卵胞症候群という卵子が外に飛び出すことができない病気もあります。卵巣は2つありますので片方が機能していなくても妊娠は可能ですが、確率は下がります。卵胞がきちんと成熟しているかも超音波でわかります。

卵管が開通していなければ受精卵が移動できません。卵管の状態をみるためには子宮卵管造影といって、子宮内に造影剤を注入してレントゲンを撮影する検査を行います。

また、クラミジアに感染することで子宮や卵管が炎症をおこし、卵管閉塞や癒着の原因になることがあります。クラミジアは性行為で感染するため、クラミジアの検査をして陽性だった場合は夫婦ともに治療が必要です。

子宮筋腫や子宮の奇形があると妊娠しにくいことがありますが、これも超音波でわかります。

男性側に不妊の原因がある場合

男性側の不妊原因として、精子を作れない、精子に異常がある、精子が移動できない、勃起障害などが考えられます。原因のほとんどは精子を作れないこと(造精障害)といわれます。

造精障害には、無精子症(精子がいない)、乏精子症(精子が少ない)、精子無力症(精子が運動していない)、精子奇形症(奇形がある精子の割合が高い)などがあります。精液を採取して、顕微鏡で精子の数や運動率、奇形を調べることで診断できます。ただし検査した日の健康状態やストレス、疲労、飲酒などによって結果が変動することもありますので、日を変えて何度か検査をする場合もあります。

また、精索静脈瘤や男性ホルモンの異常が原因になることもあり、泌尿器科での検査・治療が必要になります。

男性と女性双方に原因がある場合

男性の精子と女性の相性が悪く妊娠できないこともあります。異物である精子を女性の身体が排除しようとする場合です。フーナー(ヒューナー)テスト、抗精子抗体検査という検査で調べます。

フーナーテストは検査の前日あるいは当日に性交をし、膣内の粘液や子宮内液を採取して、精子が到達しているか、きちんと動いているかを調べます。

抗精子抗体は、女性の身体にとって異物である精子に対して作られます。抗体が強いと精子の運動が止められてしまい、精子が卵管までたどりつくことができません。

また、頻度は低いですが男女ともに染色体異常が不妊症の原因になることがあります。





ここまで男女別に不妊症の原因をあげてきましたが、男女とも検査で特に異常のない、原因不明の不妊も珍しくありません。検査ではっきりと異常がなくても、妊娠の希望があれば不妊治療を始めることになります。